「紫道君、完璧だよ! 圭衣ちゃんがデザインした通りだ。短期間にも関わらず、完成させてくれて本当にありがとう。ところで、僕に話があるって?」
「あっ、ちょっと待ってくださいね」
ビジネスモードからいつもの紫道君の柔らかな表情へと切り替わると、彼は部屋を出て、ドアを静かに閉めた。
指輪の入ったケースをそっと開き、僕は再びその輝きに目を奪われる。ローズカットのインフィニティリング。圭衣ちゃんがデザインしたと聞いた時から、完成をどれだけ楽しみにしていたか……。
彼女の姿を思い浮かべながら、自分の指でフィット感を確かめてみる。似合うのは、僕じゃない。このリングが本当に輝くのは、圭衣ちゃんの左手薬指なんだ。
そんな想いに浸っていると、ドアがノックされ、ふたたび開かれる。
「……、えっ?」
紫道君に続いて入ってきたのは、涼介、仁、そして雅だった。
「ちょっと待って、なにこれ? なんでこいつらがここに?」
思わず呟くと、向こうも同じ顔をしていた。僕と目が合った瞬間、3人とも軽く眉を上げる。
全員が席に着くと、紫道君が深く頭を下げて口を開いた。
「皆さん、騙し討ちのようにお呼び立てして申し訳ありません。でも……、俺と圭衣だけでは対処できないと判断しました」
その言葉に、胸がざわつく。
「なに? 圭衣ちゃんに何かあったの? 無事なのか?」
焦って矢継ぎ早に尋ねる僕の肩を、隣に座っていた涼介が軽く叩く。落ち着け、という合図だ。
紫道君は静かに頷きながら言った。
「実は、大和さんと圭衣が別れた直後から、彼女の身辺に不可解な出来事が続いています。現在、彼女はご両親とも連絡を絶っているような状態で……、ご存知でしたか?」
「……、え?」
驚きで固まる涼介をよそに、紫道君はさらに言葉を重ねる。
「圭衣は、不動産屋で理不尽に契約を断られ続けています。しかも、どれも理由は曖昧。加えて誰かに見張られている気配を感じていると……。精神的にも、かなり追い詰められた状態です」
雅と仁、そして僕は顔を見合わせる。誰かに尾行されている話以外は、お互いすでに共有していた内容だ。
だが、涼介だけは明らかに事情を知らなかったようで、驚いた表情のまま、声も出せずに僕たちを見つめていた。
「あっ、ちょっと待ってくださいね」
ビジネスモードからいつもの紫道君の柔らかな表情へと切り替わると、彼は部屋を出て、ドアを静かに閉めた。
指輪の入ったケースをそっと開き、僕は再びその輝きに目を奪われる。ローズカットのインフィニティリング。圭衣ちゃんがデザインしたと聞いた時から、完成をどれだけ楽しみにしていたか……。
彼女の姿を思い浮かべながら、自分の指でフィット感を確かめてみる。似合うのは、僕じゃない。このリングが本当に輝くのは、圭衣ちゃんの左手薬指なんだ。
そんな想いに浸っていると、ドアがノックされ、ふたたび開かれる。
「……、えっ?」
紫道君に続いて入ってきたのは、涼介、仁、そして雅だった。
「ちょっと待って、なにこれ? なんでこいつらがここに?」
思わず呟くと、向こうも同じ顔をしていた。僕と目が合った瞬間、3人とも軽く眉を上げる。
全員が席に着くと、紫道君が深く頭を下げて口を開いた。
「皆さん、騙し討ちのようにお呼び立てして申し訳ありません。でも……、俺と圭衣だけでは対処できないと判断しました」
その言葉に、胸がざわつく。
「なに? 圭衣ちゃんに何かあったの? 無事なのか?」
焦って矢継ぎ早に尋ねる僕の肩を、隣に座っていた涼介が軽く叩く。落ち着け、という合図だ。
紫道君は静かに頷きながら言った。
「実は、大和さんと圭衣が別れた直後から、彼女の身辺に不可解な出来事が続いています。現在、彼女はご両親とも連絡を絶っているような状態で……、ご存知でしたか?」
「……、え?」
驚きで固まる涼介をよそに、紫道君はさらに言葉を重ねる。
「圭衣は、不動産屋で理不尽に契約を断られ続けています。しかも、どれも理由は曖昧。加えて誰かに見張られている気配を感じていると……。精神的にも、かなり追い詰められた状態です」
雅と仁、そして僕は顔を見合わせる。誰かに尾行されている話以外は、お互いすでに共有していた内容だ。
だが、涼介だけは明らかに事情を知らなかったようで、驚いた表情のまま、声も出せずに僕たちを見つめていた。



