婿入り希望の御曹司様とCool Beautyな彼女の結婚攻防戦〜長女圭衣の誰にも言えない3つの秘密〜花村三姉妹 圭衣と大和の物語

次に、はっきりさせておかなければならないのは、烏丸一族と僕の両親が今回の一件に関与しているかどうかだ。


今のところ、父さんも母さんも無関係だと考えている。けれど、この件ばかりは憶測で判断できない。直接、顔を見て、話を聞かなければ。


不可解なのは、悠士兄ちゃんの行動だ。なぜ彼は、他の王子たちの協力も得ず、単独で動いているのか。しかも、圭衣ちゃんを苦しめるようなことをしてまで。


花村家のご両親と兄ちゃんとの関係についても、依然として謎のままだ。

 



指輪を受け取る前に、一度、両親のもとを訪ねることにした。現役を退いたふたりは、今は都心から少し離れた場所で暮らしている。
そうと決まれば、まずは雅に事情を伝えて休みを申請し、両親には知らせず、そっと車に乗り込む。


エンジンをかけ、高速を走らせる途中、仁からメッセージが届いた。


サービスエリアに車を停めて確認すると、
そこには怒りをかき立てる情報が並んでいた。


拳を握りしめ、すぐに仁に感謝の返信を送信する。


必ず、圭衣ちゃんを守る。


その思いを胸に、再びアクセルを踏んだ。





ミッドタウンのマンションからおよそ1時間半。“田舎”といっても、海も山も城もある、自然と歴史の豊かな土地だ。


夏は東京より涼しく、冬は幾分か暖かい。
父さんと母さんの家のそばにある柑橘畑では、青々とした新芽が、11月の収穫に向けてすくすくと育っていた。


今年も、美味しいみかんが食べられるかな?

 
この家は、僕らがまだ子どもだった頃、
長期休暇を過ごすために購入したセカンドハウスだった。学校が休みになるたびに、慶智の王子たち──僕と同じ時代を過ごした仲間たちと一緒にこの地を訪れた。


海で泳ぎ、山を駆け回り、泥だらけになって大笑いした、かけがえのない日々。


いま、こうして久しぶりに訪れてみて、この長閑な空気に包まれながら、父さんが早期引退を決意した理由が、少しだけ分かった気がした。