婚約指輪をオーダーした紫道君からメッセージが届いた。指輪にイニシャルや日付を入れるかと尋ねられ、迷わず『Y & K With Love』とお願いした。彼の話では、もう最終段階に入っていて、3日後には受け渡しができるとのことだった。このタイミングで話がしたいと言われたので、指輪を受け取るときに改めて会うことにした。
嬉しい知らせはそれだけではなかった。昨日、葉子ちゃんからウィルとラーラのぬいぐるみが戻ってきた。2体には新しいタキシードとウェディングドレスが着せられていて、どちらも特注の衣装だという。
ラーラのドレスは、これまで圭衣ちゃんがデザインしてきたウェディングドレスとはまったく異なる。レースとフリルがふんだんに使われていて、まるで物語の中に登場するお姫様のようだった。
あれ? この感じ……、どこかで見たことがあるような……。
ふとそんな既視感に襲われたけれど、すぐには思い出せなかった。
一方、ウィルの方は王子様風のデザインで、ハーフパンツに少しふくらみのあるサイドラインが印象的だった。ふたり並ぶと、まるで絵本から飛び出してきたような雰囲気で、思わず笑みがこぼれる。
この2体にあやかって、圭衣ちゃんがプロポーズを受けてくれますように。
そんな願いをこめて、そっと手を合わせた。
婚約指輪の準備と並行して、僕なりに進めていることがある。それは、圭衣ちゃんの身に起きている不可解な出来事についての調査だ。申し訳ないとは思いつつも、まずは自分の周囲から密かに当たってみた。
その結果、やはり疑わしいのは悠士兄ちゃんだった。
どうやら兄ちゃんは、慶智の王子たちの仲間とは無関係に、単独で動いているようだ。自分の兄が、僕の大切な人を苦しめているかもしれないなんて信じたくなかった。でも、動かぬ兆候を前に、もう目を逸らすことはできなかった。
いても立ってもいられなくなった僕は、仁と雅にこのことを打ち明けた。
ふたりとも驚きはしたが、協力を惜しまないと言ってくれた。彼らには、それぞれの実家がこの件に関わっていないか調べてもらうことにした。なにしろ、これは彼らにとっても他人事じゃない。愛する妻たち、美愛ちゃんと葉子ちゃんにとって、圭衣ちゃんはかけがえのない姉なのだから。
嬉しい知らせはそれだけではなかった。昨日、葉子ちゃんからウィルとラーラのぬいぐるみが戻ってきた。2体には新しいタキシードとウェディングドレスが着せられていて、どちらも特注の衣装だという。
ラーラのドレスは、これまで圭衣ちゃんがデザインしてきたウェディングドレスとはまったく異なる。レースとフリルがふんだんに使われていて、まるで物語の中に登場するお姫様のようだった。
あれ? この感じ……、どこかで見たことがあるような……。
ふとそんな既視感に襲われたけれど、すぐには思い出せなかった。
一方、ウィルの方は王子様風のデザインで、ハーフパンツに少しふくらみのあるサイドラインが印象的だった。ふたり並ぶと、まるで絵本から飛び出してきたような雰囲気で、思わず笑みがこぼれる。
この2体にあやかって、圭衣ちゃんがプロポーズを受けてくれますように。
そんな願いをこめて、そっと手を合わせた。
婚約指輪の準備と並行して、僕なりに進めていることがある。それは、圭衣ちゃんの身に起きている不可解な出来事についての調査だ。申し訳ないとは思いつつも、まずは自分の周囲から密かに当たってみた。
その結果、やはり疑わしいのは悠士兄ちゃんだった。
どうやら兄ちゃんは、慶智の王子たちの仲間とは無関係に、単独で動いているようだ。自分の兄が、僕の大切な人を苦しめているかもしれないなんて信じたくなかった。でも、動かぬ兆候を前に、もう目を逸らすことはできなかった。
いても立ってもいられなくなった僕は、仁と雅にこのことを打ち明けた。
ふたりとも驚きはしたが、協力を惜しまないと言ってくれた。彼らには、それぞれの実家がこの件に関わっていないか調べてもらうことにした。なにしろ、これは彼らにとっても他人事じゃない。愛する妻たち、美愛ちゃんと葉子ちゃんにとって、圭衣ちゃんはかけがえのない姉なのだから。



