〜響心〜

体育館を出ようとすると、またあの3人に囲まれた。


(まだ勘違いしてんの。あの曲はあんた向けじゃ「よけて!」


声の大きさや発音なんて気にしなかった。葵に会いたい。葵に伝えたいその気持ちしかなかった。


廊下を出て葵を探す。目の前に女の子に囲まれている葵の姿が見えた。


私は躊躇しなかった。乗り越える勇気を葵からもらったから。


息を胸いっぱいに吸う。心臓が興奮で大きな音を立てている。

私はきっととても幸せなんだ。


「葵!」