〜響心〜

なんと言っているのかは分からなかったが、手の中には私のハンカチが握られていた。


私はカバンの中からメモ帳を取りだして急いで書いた。


『私のです。拾っていただきありがとうございます。』


(拾っていただきって、あ~そうだよね。ごめん。)


彼の顔を見たのは今が初めてだった。


何かを言いながら笑っている彼の顔は容姿端麗という言葉通りの顔だった。


肌は白く、目は透き通り、鼻筋は通っていて、唇は血色の良い色をした綺麗な形だった。