〜響心〜

(次の走者は、佐々木祐馬さん。佐藤葵さん。加野圭吾さん。渡辺恭平さんです。)


会場の盛り上がりがこのメンバーで一気に上がった。この間4人は学校でも人気なイケメン４人集らしい。学校の裏サイトで話題になっていた。


(よーい。バン！)

次々とお題が書かれた紙を拾いにいく。次々と叫びながらお題に該当する人を探しにいく。私はお題も分からないから名乗りでられないけど。



あれ、おかしい。葵だけグラウンドの真ん中で動かない。キョロキョロと誰かを探しているようだ。お題に心当たりがある人がいるのだろうか。


え。思わず声が漏れそうだった。葵とバチっと目が合った瞬間、こちらに走ってきた。



『き、て』
手を差し出された。私は迷わず手をとった。お題は分からない。でも、私という存在を認めてくれた、信じてくれたみたいだった。


久しぶりに走った。グランドの乾いた砂の上を、好きな人に手を引かれて、葵の背中はとても頼もしく、大きな背中。私の手を包んでいる葵の手は優しいく、暖かな手だった。