____別に辛いわけじゃない
____誰かに愛されたいわけでもないんだ、笑
20XX年2月8日
今日も一人、体を起こす。
「おはよう、、、お母さん」
「あら、今日も早いわね水桜」
「あ、うん」
「ごめんなんだけど今日もお母さん早くいかないといけなくて…………」
私は支度をしながら母親の話を聞く
「そっか、気を付けてね」言いながら朝ごはんのパンをかじる。
「行って来るね」
「うん、いってらっしゃい」
急ぎ足で出ていく母の背中を見ながら見送る。
私も学校、行かなきゃ、いつもどうり家の鍵を閉めて歩く___。
そして今日も私は噓を吐く。突然ブーブーと音を立てて手元にあるスマホが鳴るピッ__
『もしもし水桜ー?』
元気そうな友達の音夏
「おはよ、どしたの音夏ー?」
『実はね____』聞こえなかった。仕方がないだってここは、駅の近くだから。仕方のないことだった。
「ごめん、なんて言ったの?」単純な疑問だった、、、それだけだったんだよなぁ…………笑
『今、なんて言った?』音夏の声色が変わったのが分かる、何かしちゃったかな?
「え?聞こえなかったって」急ぎ足で駅を出て学校に向かう。
「音夏、今どこいる?」そう言ったとたん電話は切れてしまった、息を切らしながらも私は力一杯に走る。
下駄箱の近くで音夏を見つける、「音夏ー、おはよう!さっきなんて言ったの?」何にも気づていないフリをする
「あれ?水桜?おはよ~、ちょっと聞いてよー、、、」私は笑いながら答えるしかなかった。
「んー?」教室に向かいながら話していると、ドンッ
危ないな気をつけなくちゃ
「ごめんなさい」ぶつかった彼は驚いた様子で走り去っていった、、、変なことしたかな?
「水桜だいじょぶそー?」先に教室に入っていた音夏が顔を出す。
「うん、平気だよ、笑」同時にチャイムが鳴った。


