漆黒(しっこく)深淵(しんえん)より、時空を超える存在よ、我が召喚に応えよ。異界の扉を開き、異世界の者を我が前に顕現(けんげん)せしめよ。我が力を貸したまえ。異界人をここに召喚せよ!」
ボワァッ....。
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「休憩にコンビニでも行くか....食料調達だ。」
俺は家を出てコンビニへと食料調達に行った。しかし俺の人生はコンビニで変わることになるのだった。
ボウッ...。
「な、何だこれ魔法陣、か?
黄色い光が体を包んだあと目の前が真っ白になった。そう。俺は....。
「ついにだ!ついに勇者候補が召喚されたぞ!!」
異世界に召喚されたのだ。
「ど、どこだここー!!!」
「貴方様は勇者候補として召喚されたんです。」
怪しいローブの男はそう言った。
「こんなのひどくないか!俺は未来ある男子高校生だったんだぞ!日本に返せ!!」
シーンッ....。城が静まり返った。あれ?ここそもそも地球じゃない説...?
「ここ聖地シルバニア。貴方様はこの国を守るために勇者候補として召喚されたんです。」
窓からはお馴染みの黄色い月。そしてもう一つの紫色の月が神々しく輝いていた。
「いや、国の説明とかいいから、日本に返してくれよ。」
「貴方様に拒否権はございません。」
ズバッと言われた。こんなにズバッと言われたのは何年ぶりだろう。
「いや無いんかい!!」
シーンッ....。再び城が静まり返った。あれ、この国の人達って日本のギャグが通じない感じか?いやそもそもギャグじゃないかこれ。
「それではまずレベルとスキルを拝見させてもらいます。」
怪しいローブの男は俺のギャグ(?)を無視し、手をかざした。
ボウッ...。また黄色い光が体を包んだ。
「っ....」
俺はぎゅっと目をつむり終わるのを待った。
「こ、これは....。」
城が静まり返った。その後すぐに城がざわめきを取り戻した。
「レベルもスキルもどっちも(インフィニティ)だ...。」
(インフィニティ)....?」
(インフィニティ)って、∞って意味だよな。レベルもスキルも∞?どういう事だ?」
「説明しましょう。(インフィニティ)とは知能、またはレベルスキルが∞。つまり下がることのない珍しいレベルなのです。
なんかよくわからないが、すごいってことだろうな。
「勇者候補でも(インフィニティ)は珍しい....良い人材になりそうだな。」
なんか王様っぽい人とローブの怪しい男たちがごにょごにょ言っている。