エピソード① 兄妹格差
「だーかーら!!俺の嫌いな食べ物を弁当の中に入れるなっていつも言っているだろ!?」
私の作った弁当の中身をみた途端、お兄ちゃんはそう怒って私に向かって弁道箱を投げつけてきた。ご飯やおかずなどが、私の洋服にベッタリとつき、カランと軽い音を立てて、弁当箱が床に落ちる。
「ごっ、ごめんなさい…。お兄ちゃん。」
一つ上の兄、星野功一《ほしのこういち》にむかって、私は頭を下げる。
「ったく、本当にお前は使えない奴だな!!母さん、金くれよ、金。昼に学食行くからさぁ。」
お兄ちゃんはチッと舌打ちすると、お母さんに向かって手を差し出す。
「この子は本当に出来損ないね。私たちの可愛い功一を怒らせるなんて!!はい、功一。お金よ。お釣りはあなたがもらっていいからね。」
「サンキュー!母さん。それじゃあ、行ってきます。」
お兄ちゃんはお母さんからお金を受け取ると、鞄を持ってリビングから出て行った。
「おいっ、みずき!!さっさと床をキレイにしないか!!」
お父さんのその声に、ビクッと体が震える。
「はっ、はいっ!!今やります!!」
慌ててそう返事をし、床の掃除を始める。
「本当、この子を見ているとイライラするわ…。こんな子、産まなければよかった。」
「そうだな。俺たちの子供は、息子の功一だけでよかったな。」
お父さんとお母さんはそう言って、冷たい目を私に向けた。
やめて!!そんな目で私を見ないで!!
私自身を否定しないで!!
そう言いたいのをぐっとこらえ、黙々と床の掃除を続ける。
俯きながら私は、溢れてくる涙を静かにこぼした。
私の名前は星野《ほしの》みずき。
現在、高校二年生。十七歳。
ごく普通のどこにでもいるような平凡な少女ですー。
「だーかーら!!俺の嫌いな食べ物を弁当の中に入れるなっていつも言っているだろ!?」
私の作った弁当の中身をみた途端、お兄ちゃんはそう怒って私に向かって弁道箱を投げつけてきた。ご飯やおかずなどが、私の洋服にベッタリとつき、カランと軽い音を立てて、弁当箱が床に落ちる。
「ごっ、ごめんなさい…。お兄ちゃん。」
一つ上の兄、星野功一《ほしのこういち》にむかって、私は頭を下げる。
「ったく、本当にお前は使えない奴だな!!母さん、金くれよ、金。昼に学食行くからさぁ。」
お兄ちゃんはチッと舌打ちすると、お母さんに向かって手を差し出す。
「この子は本当に出来損ないね。私たちの可愛い功一を怒らせるなんて!!はい、功一。お金よ。お釣りはあなたがもらっていいからね。」
「サンキュー!母さん。それじゃあ、行ってきます。」
お兄ちゃんはお母さんからお金を受け取ると、鞄を持ってリビングから出て行った。
「おいっ、みずき!!さっさと床をキレイにしないか!!」
お父さんのその声に、ビクッと体が震える。
「はっ、はいっ!!今やります!!」
慌ててそう返事をし、床の掃除を始める。
「本当、この子を見ているとイライラするわ…。こんな子、産まなければよかった。」
「そうだな。俺たちの子供は、息子の功一だけでよかったな。」
お父さんとお母さんはそう言って、冷たい目を私に向けた。
やめて!!そんな目で私を見ないで!!
私自身を否定しないで!!
そう言いたいのをぐっとこらえ、黙々と床の掃除を続ける。
俯きながら私は、溢れてくる涙を静かにこぼした。
私の名前は星野《ほしの》みずき。
現在、高校二年生。十七歳。
ごく普通のどこにでもいるような平凡な少女ですー。
