ツレナイ彼×ツヨガリ彼女

食事を終えると慶介が運転する車で理香子を送ってくれた。

車が走り出してすぐに眠ってしまった理香子を起こさないように、慶介は慎重に遠回りをしながら帰る。

「嘘つき」
理香子の住むマンションの駐車場に車を止めた慶介はそう言いながらぐっすりと眠っている理香子の顔にかかる髪をそっとかきあげた。

「本当は具合悪い癖に。俺に気つかってんじゃないよ。本当に。」
小さな声でささやきながら理香子への想いがどんどんと膨らんでいることを感じた。

自分たちの関係はなんなのか。
わからない。

お互いにお互いが理解できず、苛立ちさえ感じていた。
どうしてもっと効率よく仕事をしないのか。
どうしてもっと自分のことを大切にしないのか。

今思えば違いすぎて苛立っていた訳じゃない。
本当ははじめから理香子のことを心の奥深くで思っていたのだ。

父への反発心から、そんな自分を認められず、理香子へのいら立ちでごまかしてたんだ。

慶介は理香子をこのまま眠らせてあげたかった。

ずっと隣に居たかった。

こみ上げる想いを飲み込みながら、理香子の寝顔を見つめ続けた。