ツレナイ彼×ツヨガリ彼女

「すみません。結城は昨日から調子悪いんです。今日は勘弁してやってください。」
隣の机から聞こえた予想外の言葉に、理香子は目を丸くして振り向く。

理香子に声をかけた社員も目を丸くしている。
「それに出張でたまった業務もまだあるので。」
「そうですよね、すみませんでした。」
社員がひきつった顔で後ずさりしようとすると、慶介は「俺ができることでしたら俺がやりますけど?」と言葉を足す。

「えっ!?」
その言葉に社員は思わず大きな声を出してしまう。

慶介のこんな言葉を聞くのは初めてだ。

「どうしたの?具合でも悪いの?」
理香子が慶介の方に近づく。
「具合悪いのはお前だろ。」
「・・・」
慶介は涼しい顔をして仕事を再開した。

「お前、定時で上がれよ。」
「・・・はい」
有無を言わさない慶介の言葉に、理香子は何も言えなかった。