ツレナイ彼×ツヨガリ彼女

「すごい!寝坊しなかったじゃない」
ホテルの部屋を出てすぐ、二人は合流した。
「だろ?」
「昨日はお世話になりました。今日からまたよろしくお願いします。」
そう言って頭をさげる理香子に「やっぱりもう少し休んだほうがいいんじゃないか?」と冗談を言いながら慶介は理香子のキャリーケースに手を伸ばす。
「大丈夫。自分でもてる。」
「いいの。こういう時は甘えんだよ。甘え上手は愛され上手だぞ?」
「その言葉、前もきいた。」
「いいから。病み上がり。無理すんな。」
慶介は理香子の分のキャリーケースも持ち、すたすたと歩きだした。

「ありがとう」
こういう時、慶介にはもう叶わないと知っている理香子が後ろから小走りで追いかけてお礼を言うと「それでいい」と慶介は満足そうに笑った。

「今日は富士印刷に顔を出して終わりだから、時間にも余裕があるね。」
「だな。」
2人は仕事モードに切り替えて、ホテルを出た。