ツレナイ彼×ツヨガリ彼女

「お疲れ様」
「お疲れ」
理香子は慶介が仕事を終えてホテルに戻るのを待っていた。
隣の部屋から物音がしたのを確認して、隣の部屋のベルを鳴らすとそこには疲れた顔の慶介がいた。

シャワーを浴びたらしく、髪がまだ濡れている。

「これ、今日のお礼」
理香子はテイクアウトのお店の袋をゆらゆらとさせながら視線の高さに持ち上げた。
「ナイスー。」
慶介は嬉しそうにその袋を受け取る。

薬も効いていて、ぐっすりと眠れた理香子はすっかり回復していて、慶介が帰宅する前に名古屋名物を買って慶介の帰宅を待っていた。

「じゃあ。ゆっくり休んで。」
渡したかったものを渡したからとさっさと部屋に帰ろうとする理香子。

「なぁ。」
「ん？」
不意に声をかけられて振り返った。
「どうしたの？」
「ちゃんと食べたか？」
「うん。おかげさまで」
「ちゃんと薬飲んでおとなしくしてたか？」
「うん」
「じゃあ、明日は一緒に行けるな。」
「任せて」
慶介に微笑む理香子の顔色はいつもの理香子に戻っていた。