ツレナイ彼×ツヨガリ彼女

「なんか飲むか？」
理香子が目覚めたことに気づいた慶介が立ち上がる。

なぜ自分の部屋に慶介が？
そんな顔で慶介を見る理香子に
「もしかして、覚えてないな？」
慶介が言った言葉に、理香子はやましいことをしたのかと怪訝な顔をする。

「バカ。病院から朦朧として帰ってきて、熱まで出始めて、生存確認のために部屋、入るって。断ったぞ、俺。」
慌てて言い訳のように話す慶介に理香子は記憶が戻り始める。

慶介は自分の部屋でシャワーやら着替えを済ませて来てくれたらしい。

いつもはスーツ姿に髪は顔にかからないよう整えられていた慶介が黒のスウェットにさらさらな髪。
新鮮だ。

「誰かと思った」
かすれた声の理香子に慶介が微笑む。
「俺しかいないだろ。今のこの状況。」
理香子に水を渡す慶介。

うまく力が入らず水のペットボトルを落としてしまいそうになる。