ツレナイ彼×ツヨガリ彼女

昔から私は誰かに頼ることが苦手だ。
育った環境の影響が大きいのだろうと自分で思う。

3人兄弟の長女。
両親は末っ子がまだ1歳の頃離婚した。
子どもは全員父が引き取り、理香子たちは父と祖母と5人で暮らしていた。

仕事が忙しく、出張も多かった父。
高齢で足が悪かった祖母。
理香子よりも6歳下と12歳下の弟たちもまだまだ手がかかり、理香子は兄弟の母親代わりでもあった。

部活はせず、中学時代は早朝の新聞配達をして家計も助けた。高校時代はバイトを掛け持ちして、進学に向けて貯金をしながら家にもお金を入れた。その頃祖母が亡くなり、一手に家事も引き受けた。

社会人になった今も、まだ1番下の弟の学費を手伝っている。



夜中、理香子がふと目を覚ますと、そこには慶介がいた。
病院から帰った記憶がない。