ツレナイ彼×ツヨガリ彼女

「過労とストレスですね。ひとまずあと30分ほどで点滴が終わりますから、お薬出しますんで受け取って戻ってください。刺激の少ないものをちゃんと食べて、飲んで、ゆっくり休んでくださいね。ストレスや疲れは無理が大敵です。無理しすぎないように。」
診察室で点滴を受けながら理香子は医師の話を聞いていた。
なぜかそこには慶介もいる。

医師と看護師が居なくなった部屋に、理香子と慶介の二人になった。
「明日は俺ひとりで回るから、ホテルで一日寝てろ。」
慶介の言葉に理香子は慶介の方を見る。

あまりの顔色の悪さに慶介は苛立つ。
どうして気づかなかった。
いや、気づいてたのに甘く考えすぎてた。
理香子をここまで追い詰めたのは自分だと、慶介は自分を責める。

「いやだ」
ふと隣のベッドから漏れる声に、視線を向けると理香子が目に涙をいっぱいためて慶介を見ていた。

「いや。」
「嫌って言ってもだめだ。」
「いやだ。」
言い出したら聞かない性格の理香子。
いつだって強がって、弱みを見せない理香子。
その理香子が涙を瞳にためて悔しそうに自分を見つめている。

「はぁ~。」
深くため息をついてから慶介はベッドの隣の椅子に座った。
「何が嫌だ?」
こうなったら話をひとまず聞いてみようと、言葉を飲み込み涙をこらえる理香子に優しく声をかける。