ツレナイ彼×ツヨガリ彼女

「もう、誰になんの仕事を振るか決めてるんでしょ?」
「・・・ばれたか。実はそうなんだ」
「じゃあ、さっさと引継ぎしてください。ほかの業務もみんなあるんで。早めに知ればなんとかなるでしょ。」
慶介の言葉に、沈黙していた社員たちが次々に声をあげはじめる。
自分たちには何ができるか。
温厚で、部下を全力で守ってくれる上司だった。
だからこそ、話を聞いた誰もが自分にできることはないかと心を寄せたのだった。

理香子は涙を雑に手で拭いて、新しく届いた飲み物を配り始めた。

慶介はいつだってツレナイ。
態度も冷たいし、人付き合いも最低限しかしない。
仕事も効率を優先して、無駄なものはばつばつと切り捨てる。

顔やスタイルはよくて仕事もできるからと女性社員は誰もが一度は慶介にあこがれてアタックする。
でも、そんな女性社員の気持ちも、慶介はズバズバと切り捨てて前に進む。

理香子には理解できない性格だ。

でも、こういうところがある。

根はやさしい。
誰よりも熱い何かを持っている。