ツレナイ彼×ツヨガリ彼女

全力で男を止めようとするツヨガリ彼女。

突然男が力を抜いて、バランスを崩しそうになる。

「あんた、よく見ればいい女じゃん。じゃ、責任取ってもらおうかな」
不敵に笑う男に全身ざわつく。
ツヨガリ彼女の腕を強くつかんだ男は、今まで向かおうとしていた方向とは逆方向にツヨガリ彼女を引っ張る。

こういう時、女はなんて無力なんだと思いながら必死に抵抗する。

「邪魔なんですけど」

どうしようかと考えていると、突然男につかまれていた手が離された。

状況が飲み込めずにいると、目の前に別の男。
さっきの男よりも明らかに背が高い。

「ここ、人多いんで、けんかするなら外でやってくれます？」
淡々とした口調で言いながらも、さっきまで力でツヨガリ彼女がかわせなかった男の体をひょいっと持ち上げてさらに遠くに離した。
「何すんだよ」
怒りの矛先がツヨガリ彼女から新しく登場したその男に変わった状況を見て、ツヨガリ彼女は一気に走って、電車に飛び乗った。

電車の扉が閉まろうとするその時、一人の男が電車に乗り込んできた。

一気に恐怖がおそい、おそるおそる視線を向けると・・・

「なんであんたがいるのよ」
「なんだよその言いよう」
目の前にいたのはツヨガリ彼女の天敵である、ツレナイ彼だった。