こじらせて、こじらせるほど。





「夜のコンビニで突っ立って何してんのかなーと思いきや。ショックで打ちひしがれてたワケかぁ〜カワイソーに」



ニヤニヤと私を見ながら鮭おにぎりを手に取る中川。





うぜえ。





コイツへの私の感情は、今も昔もこの一言に限る。





昔っからこう!



中学一年のとき同じクラスになって以来、ことあるごとに私の前に不意に現れては、絶妙に人を苛つかせる事をぶつけてくる。

しかもそれがなぜか大体、図星だったりするから余計に腹立つ。


図星なんて絶対悟らせないけどね!!!





「はぁ?違うし。ちょっと残業で疲れてボーッとしてただけだし!」



「あっそ〜?あ、そしたらカワイソーな売れ残りアラサー女に俺がコレ、奢ってやるよ」




そして変わらずニヤつきながら、50円引のシールが貼られた梅おにぎりを私に渡してきた。




「ちょっと私が梅嫌いなの知ってんでしょ!?ほんっと性格悪いなくたばれ!」



「あーあー、そーゆうカワイクない言葉使いばっかするから売れ残るんだぜ?アラサー女さん?」



「死ね。てかアンタも同じ年だろーがこの売れ残りアラサー男が!」




「残念なことに女と男の29は全然違うんです〜男はむしろこれからなんです〜」



「5回死ね!!」






プッ…





誰かの吹き出した声にハッと顔を向けると、大学生くらいの韓流風男子店員が、慌てて私から顔を逸らした。




っ最悪ー!!!!