○夜・朝比奈家
ソファの上で三角座りをし、恋愛ドラマを食い入るように視聴する雫。
数分後、リビングのドアがガチャリ、と開く音と共に、風呂上がりで髪の毛を下ろした蕾が現れる。
蕾「雫お風呂空いたよー……って、なんでそんな険しい顔して恋愛ドラマ観てんの」
雫「恋という現象のメカニズムを学ぶため、かな」
蕾「私は妹の情緒が心配です」
蕾はテレビと向き合う雫を不可思議そうに横目で見やりながら冷蔵庫を漁る。ヨーグルトを1パック携えた蕾は雫と並んで腰を下ろす。
ドラマの展開はヒロインがヒーローに胸をときめかせるシーンに移り、雫の眉間により一層皺が寄る。
雫「わからない……どうしてここで『好き』ってなるの?何が一体どうなって恋心が芽生えたの?」
混迷を極めた雫の独り言に、涼しい顔でヨーグルトを食べ進める蕾が反応する。
蕾「そんなもんでしょ、恋愛なんて」
雫「と、言いますと?」
蕾「誰かを好きになるのなんて、数学の証明問題じゃないんだから理論や理屈で紐解けるもんでもないでしょ。気付いたら好きになってた、なんか分からないけど気になる、それだけで十分じゃない」
妙に達観した持論を述べる蕾に、雫は素直に感動する。
雫「もしかして蕾ちゃん、好きな人いるの?」
蕾は動揺のあまり、手に持っているヨーグルトのケースを強く握り締め中身を噴射させかける。
蕾「い、いっいるわけないでしょ!あくまで一般論だからねっ!?」
言い訳じみた注釈を付け足す蕾はパンッと一回手を合わせると、強引に話題を変える。
蕾「それより雫!明日絶対体操服忘れちゃダメだからね」
雫「?体操服?どうして??」
蕾「どうしてもなにも球技大会でしょ、明日」
雫「きゅうぎたいかい……」
その単語を耳にした瞬間、雫の顔からみるみる血の気が引いていく。
ソファの上で三角座りをし、恋愛ドラマを食い入るように視聴する雫。
数分後、リビングのドアがガチャリ、と開く音と共に、風呂上がりで髪の毛を下ろした蕾が現れる。
蕾「雫お風呂空いたよー……って、なんでそんな険しい顔して恋愛ドラマ観てんの」
雫「恋という現象のメカニズムを学ぶため、かな」
蕾「私は妹の情緒が心配です」
蕾はテレビと向き合う雫を不可思議そうに横目で見やりながら冷蔵庫を漁る。ヨーグルトを1パック携えた蕾は雫と並んで腰を下ろす。
ドラマの展開はヒロインがヒーローに胸をときめかせるシーンに移り、雫の眉間により一層皺が寄る。
雫「わからない……どうしてここで『好き』ってなるの?何が一体どうなって恋心が芽生えたの?」
混迷を極めた雫の独り言に、涼しい顔でヨーグルトを食べ進める蕾が反応する。
蕾「そんなもんでしょ、恋愛なんて」
雫「と、言いますと?」
蕾「誰かを好きになるのなんて、数学の証明問題じゃないんだから理論や理屈で紐解けるもんでもないでしょ。気付いたら好きになってた、なんか分からないけど気になる、それだけで十分じゃない」
妙に達観した持論を述べる蕾に、雫は素直に感動する。
雫「もしかして蕾ちゃん、好きな人いるの?」
蕾は動揺のあまり、手に持っているヨーグルトのケースを強く握り締め中身を噴射させかける。
蕾「い、いっいるわけないでしょ!あくまで一般論だからねっ!?」
言い訳じみた注釈を付け足す蕾はパンッと一回手を合わせると、強引に話題を変える。
蕾「それより雫!明日絶対体操服忘れちゃダメだからね」
雫「?体操服?どうして??」
蕾「どうしてもなにも球技大会でしょ、明日」
雫「きゅうぎたいかい……」
その単語を耳にした瞬間、雫の顔からみるみる血の気が引いていく。



