猛ダッシュする2人は必死の形相で凪と雫のもとに辿り着く。
明「セーフ?アウトっ?」
凪「アウト」
蕾「嘘っ!?」
凪「うそうそ。言ってみただけ〜」
雫(すごい、一瞬で復活した……)
ついさっきまでの力なさが嘘のようにシャキッとした凪に目を丸くする雫。全員揃ったことで賑やかさが増した4人を、他の生徒達が遠巻きに眺める。
生徒①「『ふたななじみ』やっぱ仲良いなー」
生徒②「4人揃って登校とかマジ羨ましい」
そんな声を背に、雫たちは2列で歩いていく。
雫「それにしてもよく間に合ったね」
明「気付いたらプライドと意地に駆られて無我夢中で走ってた、みたいな」
凪「ヒーローインタビューか」
雫「ふふっ」
明「でもリアルにすげーのは蕾じゃね?どんだけ寝坊しても身だしなみ完璧に仕上げてくんじゃん。どっから時間引っ張ってきてんの?4次元?」
蕾「あのねぇ、家出る10分前に飛び起きる人と華のJKの寝坊一緒にしないでもらえます?」
つれない態度の蕾に、明は唇を尖らせながらボソッと投げやりに呟く。
明「どーせ朝起きれなかったの、無理して深夜アニメリアタイしたからなのにさ」
蕾「んなーっ!」
言い終わらない内に、顔を真っ赤に染めた雫の絶叫が下足室にこだまする。即座に明の口を正面から両手で塞いだ蕾は、そのままグイグイと明の身体を廊下の先へと押し込んでいく。
蕾「学校では口にしないでって、何遍もお願いしてるよねっ!?」
明「えー、最早別によくね?」
蕾「1ミリどころか1ナノメートルもよくないっ!」
応酬を見守る雫は自分の教室(2年5組)に到着する。その扉から冬橋小梅(低めの位置で無造作に黒髪を1つに纏めた小柄な少女)がにゅっと顔を出す。
小梅「相変わらずよく分からない目立ち方をしていらっしゃるようで」
雫「あ、小梅ちゃん」
小梅「双子2組の幼馴染、故に『ふたななじみ』……。このフィクション感溢れる響きが堪らない」
雫「双子って言っても、私と蕾ちゃんは性格とか色々正反対だけどね」
教室の中心では授業の準備をする凪がクラスメイトに囲まれている。
凪「はっ!明日の科目の教科書しか持ってきてない!!」
クラスメイト「え、全教科違うじゃん」
小梅「ほんとおもしれー男だよね、優木兄」
自分の言葉にしみじみと頷く小梅。
小梅「まーこんな爽やか天然人タラシが幼馴染だったら惚れるのも無理ないか」
雫「え、惚れ?」
小梅「え?」
雫「え?」
小梅「え」
雫「え??」
小梅「えぇーーーー」
絵に描いたようにポカンと呆ける雫に、小梅は驚きのあまり椅子ごと身体をのけ反らせる。
小梅「てっきり雫は優木兄のことが好きなのかと」
雫「好っ……!?いやいやいや」
小梅「異議あり!だっていつもめっちゃ見てるじゃないですか、優木兄のこと」
その時、一限開始のチャイムが鳴り響き、2人の会話は強制終了を余儀なくされる。雫は机に向かいながら頭の中で小梅の言葉が響くのに合わせて、困惑のあまり目が渦巻く。
雫(私が凪くんのことを頻繁に見つめてる……?まさかそんなはずな……)
とかなんとか思いつつも、雫は事あるごとにチラリと凪の方へと視線を向ける。
真剣に板書をとっているところ、かと思えばこっそり大欠伸をしたり机上にマーカーを立ててドミノみたいにして遊んだりしているところ。休み時間に友達と仲睦まじく談笑したり読書したりしているところ、先生の手伝いで課題を運んでいるところに日向ぼっこをしてまどろんでいるところなどなど。様々な凪を見つめる雫の描写。
明「セーフ?アウトっ?」
凪「アウト」
蕾「嘘っ!?」
凪「うそうそ。言ってみただけ〜」
雫(すごい、一瞬で復活した……)
ついさっきまでの力なさが嘘のようにシャキッとした凪に目を丸くする雫。全員揃ったことで賑やかさが増した4人を、他の生徒達が遠巻きに眺める。
生徒①「『ふたななじみ』やっぱ仲良いなー」
生徒②「4人揃って登校とかマジ羨ましい」
そんな声を背に、雫たちは2列で歩いていく。
雫「それにしてもよく間に合ったね」
明「気付いたらプライドと意地に駆られて無我夢中で走ってた、みたいな」
凪「ヒーローインタビューか」
雫「ふふっ」
明「でもリアルにすげーのは蕾じゃね?どんだけ寝坊しても身だしなみ完璧に仕上げてくんじゃん。どっから時間引っ張ってきてんの?4次元?」
蕾「あのねぇ、家出る10分前に飛び起きる人と華のJKの寝坊一緒にしないでもらえます?」
つれない態度の蕾に、明は唇を尖らせながらボソッと投げやりに呟く。
明「どーせ朝起きれなかったの、無理して深夜アニメリアタイしたからなのにさ」
蕾「んなーっ!」
言い終わらない内に、顔を真っ赤に染めた雫の絶叫が下足室にこだまする。即座に明の口を正面から両手で塞いだ蕾は、そのままグイグイと明の身体を廊下の先へと押し込んでいく。
蕾「学校では口にしないでって、何遍もお願いしてるよねっ!?」
明「えー、最早別によくね?」
蕾「1ミリどころか1ナノメートルもよくないっ!」
応酬を見守る雫は自分の教室(2年5組)に到着する。その扉から冬橋小梅(低めの位置で無造作に黒髪を1つに纏めた小柄な少女)がにゅっと顔を出す。
小梅「相変わらずよく分からない目立ち方をしていらっしゃるようで」
雫「あ、小梅ちゃん」
小梅「双子2組の幼馴染、故に『ふたななじみ』……。このフィクション感溢れる響きが堪らない」
雫「双子って言っても、私と蕾ちゃんは性格とか色々正反対だけどね」
教室の中心では授業の準備をする凪がクラスメイトに囲まれている。
凪「はっ!明日の科目の教科書しか持ってきてない!!」
クラスメイト「え、全教科違うじゃん」
小梅「ほんとおもしれー男だよね、優木兄」
自分の言葉にしみじみと頷く小梅。
小梅「まーこんな爽やか天然人タラシが幼馴染だったら惚れるのも無理ないか」
雫「え、惚れ?」
小梅「え?」
雫「え?」
小梅「え」
雫「え??」
小梅「えぇーーーー」
絵に描いたようにポカンと呆ける雫に、小梅は驚きのあまり椅子ごと身体をのけ反らせる。
小梅「てっきり雫は優木兄のことが好きなのかと」
雫「好っ……!?いやいやいや」
小梅「異議あり!だっていつもめっちゃ見てるじゃないですか、優木兄のこと」
その時、一限開始のチャイムが鳴り響き、2人の会話は強制終了を余儀なくされる。雫は机に向かいながら頭の中で小梅の言葉が響くのに合わせて、困惑のあまり目が渦巻く。
雫(私が凪くんのことを頻繁に見つめてる……?まさかそんなはずな……)
とかなんとか思いつつも、雫は事あるごとにチラリと凪の方へと視線を向ける。
真剣に板書をとっているところ、かと思えばこっそり大欠伸をしたり机上にマーカーを立ててドミノみたいにして遊んだりしているところ。休み時間に友達と仲睦まじく談笑したり読書したりしているところ、先生の手伝いで課題を運んでいるところに日向ぼっこをしてまどろんでいるところなどなど。様々な凪を見つめる雫の描写。



