街外れの小さな家。

家の中には、小さなキッチンと使い古された傷だらけの机……それとベッドしかない。

急に吹いた強い風で、開けっぱなしのドアがバタンと大きな音を立てて閉まった。

……でも、おじいさんは驚かない。

どうやら耳が聞こえないみたいだ。

おじいさんはお湯を沸かすと、濡らしたタオルで僕の体を優しく拭いてくれた。

僕みたいなガラクタ……また、使ってくれるのかな?

不思議そうに見上げる僕を見て、おじいさんは優しく笑った。


その日から僕とおじいさんの生活が始まった。