「旦那さんは、吹田さんの幸せを願っているはずですよ?もし、わたしが主人を残して逝ってしまった立場だとしたら、主人には幸せになって欲しいです。ずっとわたし何かに縛られてないで、幸せを見つけて?って言いに行くと思います。もし、聞こえなかったとしても。」
わたしは泣いた。
両手で顔を覆い、声を殺して泣いた。
黒木さんは優しく肩を抱いてくれて、「多分、上谷先生も吹田さんと同じ気持ちだと思います。見てて分かるんです。それに、上谷先生の奥さんでここの看護士だったふみかさんも、同じことを言うと思います。ふみかさんも愛情に溢れた人だったので、上谷先生の幸せを願ってると思います。」と言うと、「きっと吹田さんの旦那さんとふみかさんが2人を引き合わせたんですよ。きっと。」と呟くように言ったのだった。
それからわたしは、仕事を終えて優作さんと帰宅すると、何だかボーッとしてしまい、ソファーに座ったまま動かずにいた。
すると、優作さんがわたしの隣に腰を掛け「笑莉さん?どうしたんですか?」と心配するように声を掛けてくれた。
わたしは優作さんの方を向くと、ジーッと優作さんの心配そうな表情を見つめ、ドキドキする鼓動と抱きしめて欲しい衝動と、自分の中で戦っていた。
「笑莉さん?」
気が付けば、わたしは涙を流していた。
あんなに泣けなかったわたしが、今度は泣き虫になってしまった。
「優作さん、、、わたし、どうしたらいいか分かりません。」
「えっ?」
「わたし、、、まだ明人を愛してるのに、、、優作さんと一緒に居ると、、、安心して、、、不安な時は抱きしめて欲しくなるんです、、、。わたし、最低ですよね、、、?わたし、、、おかしいですよね、、、」
泣きながら自分を責めていると、わたしは一瞬にしてフワッと優作さんの腕の中に包まれていた。
驚き、ハッとすると優作さんは囁くように「俺もですよ。俺も、、、笑莉さんと同じこと思ってました。」と言ったのだった。



