優作さんのクリニックの診療時間は10時から19時まで。
大体の心療内科は9時からのところが多いが、優作さんは敢えて10時からにしているらしい。
精神疾患を持つ人は朝に弱い人が多く、どちらかといえば午後から夕方にかけての方が動けたりする為、診療時間をそのようにしているとの事だった。
自宅からクリニックまでは徒歩5分もかからないで行ける距離なので、通勤はかなり楽。
診療開始時間の20分前に行き、中へ入り、優作さんは電気を付けたり、癒やし系のBGMを流したりと、次々と準備をしていく。
そして、優作さんはわたしにワインレッド色のような制服を差し出した。
「笑莉さんはSサイズで良さそうだよね。これ、笑莉さんの制服ね。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
そう話していると、診療開始前なのに2人の女性が入って来た。
すると、その2人の女性を見て、優作さんは「あ、おはようございます。」と言い、その女性2人も「おはようございます。」と挨拶をした。
「吹田さん、こちらのお二人は受付を担当していただいている黒木さんと篠宮さんです。」
優作さんがそう言うと、黒木さんと篠宮さんは「初めまして。」と会釈した。
「黒木さん、篠宮さん、こちらは吹田笑莉さんです。今日から僕の助手として働いていただくんですが、医療関係は未経験ですし、身体も疲れやすかったりとかがあるので、気にしてあげてください。」
優作さんの言葉に黒木さんと篠宮さんは嫌な顔もせず、「分かりました。」と柔らかい表情で言った。



