野良猫みたいな君


学校に着くと遥くんがサッカーしていた。

彼は勉強もできてスポーツもできちゃう人なのだ。

ある日は、野球をしていたり、テニスにバスケ、バレーボールをしている日もある。

「本当に何にでもできてしまうんだな」

まあ、そんな人だから熱狂的なファンもいるみたいで、私は学校では極力近づかないようにしている。

教室に着くと芽衣はまだ来ていないらしく、私は1人で読書をしていた。

しばらくすると、芽衣が遅刻ギリギリで教室に入ってきたので

「芽衣、おはよ。危なかったじゃん」

「雛乃ちゃーん、おはよー。本当に危なかったよー!寝坊しちゃったから仕方がないよね!」

「これからは寝坊しないようにね」

そうしていると先生が来たので、芽衣は席に戻った。

「えー。今日は5月…」

先生が今日の連絡事項を報告している時、私は右斜め前の席に座る遥くんを見ていた。

遥くんは、先生の話を聞きながら欠伸をしていた。

眠そうな顔してるのに、イケメンなのは何故か。

写真にして売ったら高く売れるのでは…。

さすがにしないけどね。


そんな感じで午前の授業は終わり、芽衣とお昼ご飯を食べている。

「ねえ、芽衣。西条くんで謎にイケメンだよね」

「え!雛乃ちゃん、西条くんに興味があるの⁉︎」

「そんなんじゃないよ。ただ……」

「ただ…?」

「だって、ファンクラブまであるからそんなにイケメンなのかなーって」

「雛乃ちゃん。彼は西条遥くんなんだよ!西条グループの1人息子なんだよ!もうそれは神が作り出した最高傑作と言っても過言ではない…」

こうなった芽衣は誰にも止められない。

私が芽衣から視線を外した先には遥くんがいた。

何故かこちらを見ている。

あ…目が合ってしまった。こっちに来てるし‼︎

私は空気、私は空気、私は…

「おーい、雛乃。今日の数学を宿題やった?
俺さ、忘れちゃったから見せてくれない?」

彼は何を言っているのだろうか。

学校では関係がないようにしてたのに!

これでは周りの視線が…

うん、時すでに遅し。

めっちゃ視線が痛い。

本当に彼は何をしたいのだろうか。

巻き込まないでほしい。

「西条くん。ちょっとこっちに来て」

…………………………

「ねえ、遥くん。何をしているの?学校では他人の振りしないと。このままだったら私がファンに殺される」

「俺が雛乃と話したかったから。駄目?」

「駄目なものは駄目」

彼は「えー」と言ってこちらを見てくる。

私がもう一度「駄目です」と言えば、「ケチ」と言った。

「ていうか、遥くん。昨日数学の宿題してたよね」

「あ、やっぱりバレてた?」

「バレるバレないではなく、隠す気がなかったでしょ」

彼は「あはは」と。

「とにかく、学校では他人の振り。これだけだから。絶対に守ってよね」

「はーい」


それからは芽衣のところに戻り普通に授業を受けれた。