野良猫みたいな君


あれから私は普通に彼と夕食を食べ、布団に入った。


_________________________
__________________

私はその日、夢を見ていた。

これは、私が公園に行っていることが母にバレてしまった時だ。

『ねえ雛乃。どうしてお家を内緒で出ていたの?』

『おかあさん、ごめんなさい。…どうしてもあそびたかったの』


『お母さん、言ったよね。勝手にお家出ちゃったらダメって。雛乃は可愛いんだから、誘拐されてしまうかもしれないんだよ。…そうなったら、お母さん…耐えられない…。雛乃はいい子だから、わかってくれるよね』


『……う、ん。ひなのいい子。…もうしないよ、おかあさん。…ほんとうにごめんなさい…』


母の言いなりだった私。

勝手にじゃなかったらいいよね。


『…おかあさん。おそとあそびにいってもいい?』

『駄目よ、雛乃。お外は危険がいっぱいなの。…分かるよね、雛乃は賢くていい子だから』

『あ…、うん。…わかった』


この日を境に、私は遊びに行くことを諦めた。

当時、仲良くしてくれた男の子は元気にしているのだろうか。

今では私のことなど忘れている。

記憶はそうしてなくなっていくのだから…


_________________________
__________________


「ふぅ、…嫌な夢見ちゃったな」

出来れば、忘れたい過去。

消してしまいたい過去。

それができない私は弱い。

あの日からずっと、私は一歩前に進めずにいる。

「…起きて、学校に行かなきゃね」

私が学校に行く準備をしてリビングに行くと、遥くんがいた。

「おはよう、遥くん。」

「おはよう。雛乃は何時にここを出る?」

「えっと、8時ぐらいかな。どうしたの?」

「今日さ、俺7時30分ぐらいには出なくちゃいけなくてさ。それで鍵渡しとくから締めてくれないかなって」

「うん、分かった」

「それじゃ時間だから行くな」と言って行ってしまった。

テレビを見て時間を潰していると、

「あ、もうこんな時間。私も行かないとね」

私はカバンと鍵を持って、学校に向かった。