【少女】
私は1人になりたかった。
父は私が小さい頃に両親が離婚した為いない。
母は父と離婚してから私に異常なほどに執着し、1人で家から出ることができなかった。
そんな私はいつも家の外に出たくて抜け出して公園に行っていた。
その公園にはいつも私と同じぐらいの男の子が1人でいた。
その子は、私が1人で公園にいても理由を聞いてこなかった。
それが私にとっては嬉しかった。
そうして公園に行っていると、母に家を出ていることがバレて、公園に行くことを禁じられ、家から出ることができなかった。
しばらくして、私が17歳の時。
母が新しい男の人と再婚した。
その男は私がいることが気に入らないのか母と出て行った。
私は解放されたという気持ちとなんとも言えない気持ちを感じた。
そうして私はあれから行けていなかった公園に行った。
公園を見ると、年月を感じさせるようになっていた。
公園の真ん中に立って立ち尽くしていると、雪が降ってきた。
あぁ。
私はあれから母の異常なほどの執着、束縛から抜け出せていないのだな。
もう母はいない。
私はどうすればいいのだろうか。
しばらく呆然としていると背後に人がいることに気がついた。
背後には私の身長よりも随分と高くて180㎝はあるのではないかと思われる男の人がいた。
男の人は私に言った。
「…俺のとこに来る?」

