ギアルがクレアを連れて向かった先は、王城内にある部屋だった。ギアルに促され中に入ると、どうやら執務室のようだった。
「ここは俺が王城で仕事をする際に使っている部屋なんだ」
そう言ってギアルはクレアを見ると、クレアを抱きしめた。
(な、何!?お兄様に、抱きしめられてる!?)
ふわりと鼻先をくすぐる上品ないい香りに、男性の香りが混ざっている。クレアを抱きしめる腕はしっかりとしていて、クレアはギアルに包まれている状態だ。あり得ない状況にクレアの心臓はバクバクと大きく鳴り響き、身体中が一気に熱くなる。
「あ、の、お兄様?」
「ようやく会えた。ごめん、俺がいない間にクレアがあんな目に遭っているなんて……助けることができて本当によかった。今日もしクレアが来てくれなかったらと不安で仕方なかったんだ」
「おばあさまに絶対に行けと言われたので……」
「今度お礼を言わなくちゃだな。ああ、クレア、君をこうして抱きしめることができて嬉しいよ」
ぎゅうっとクレアを抱きしめる力が強くなる。
(あああ、どうしましょう、こんなに抱きしめられることなんて初めてで……しかもギアルお兄様に抱きしめられてるなんて!)
クラクラしそうになる頭をなんとか堪え、クレアは聞きたかったことをギアルに聞く。
「あ、あの、お兄様、お兄様が第二王子というのは本当なのですか?」
クレアの言葉に、ギアルは静かに腕を解いてクレアから少しだけ距離を置いた。だが、クレアの肩を掴んで離さない。
「ずっと秘密にしていてすまなかった。小さい頃、遠い親戚の君と一緒に遊べることが嬉しくて仕方なかったんだ。俺が第二王子だとわかったら、きっと君は第二王子へ向けた態度を取るだろう?俺は第二王子としてじゃなく、俺自身として君に接して欲しかったんだ。だから、身分を明かさないようにって君のご両親にも周囲の人間にも言っていたんだよ」
(お兄様が、本当に第二王子……)
「あの、お兄様は私を助けるためにあんな風におっしゃってくれたのですよね?」
「?」
「婚約、するとか……」
「いや、俺は本気だよ。本気で君に婚約を申し込んだ。君と結婚したい。言っただろう、正式に申し込むって。君も了承してくれたじゃないか」
少し怒ったようにギアルが言う。
(え、本気なの?私なんかが、ギアルお兄様と、……第二王子と婚約?結婚!?)
唖然としてギアルを見上げるクレアの肩を、ギアルは少しだけキツく掴んだ。
「ここは俺が王城で仕事をする際に使っている部屋なんだ」
そう言ってギアルはクレアを見ると、クレアを抱きしめた。
(な、何!?お兄様に、抱きしめられてる!?)
ふわりと鼻先をくすぐる上品ないい香りに、男性の香りが混ざっている。クレアを抱きしめる腕はしっかりとしていて、クレアはギアルに包まれている状態だ。あり得ない状況にクレアの心臓はバクバクと大きく鳴り響き、身体中が一気に熱くなる。
「あ、の、お兄様?」
「ようやく会えた。ごめん、俺がいない間にクレアがあんな目に遭っているなんて……助けることができて本当によかった。今日もしクレアが来てくれなかったらと不安で仕方なかったんだ」
「おばあさまに絶対に行けと言われたので……」
「今度お礼を言わなくちゃだな。ああ、クレア、君をこうして抱きしめることができて嬉しいよ」
ぎゅうっとクレアを抱きしめる力が強くなる。
(あああ、どうしましょう、こんなに抱きしめられることなんて初めてで……しかもギアルお兄様に抱きしめられてるなんて!)
クラクラしそうになる頭をなんとか堪え、クレアは聞きたかったことをギアルに聞く。
「あ、あの、お兄様、お兄様が第二王子というのは本当なのですか?」
クレアの言葉に、ギアルは静かに腕を解いてクレアから少しだけ距離を置いた。だが、クレアの肩を掴んで離さない。
「ずっと秘密にしていてすまなかった。小さい頃、遠い親戚の君と一緒に遊べることが嬉しくて仕方なかったんだ。俺が第二王子だとわかったら、きっと君は第二王子へ向けた態度を取るだろう?俺は第二王子としてじゃなく、俺自身として君に接して欲しかったんだ。だから、身分を明かさないようにって君のご両親にも周囲の人間にも言っていたんだよ」
(お兄様が、本当に第二王子……)
「あの、お兄様は私を助けるためにあんな風におっしゃってくれたのですよね?」
「?」
「婚約、するとか……」
「いや、俺は本気だよ。本気で君に婚約を申し込んだ。君と結婚したい。言っただろう、正式に申し込むって。君も了承してくれたじゃないか」
少し怒ったようにギアルが言う。
(え、本気なの?私なんかが、ギアルお兄様と、……第二王子と婚約?結婚!?)
唖然としてギアルを見上げるクレアの肩を、ギアルは少しだけキツく掴んだ。



