わたしを「殺した」のは、鬼でした

 わたしの顔から、さーっと血の気が引く。
 この小屋には藁をはじめ、燃えるものがたくさんある。
 炎が中に入り込めばそれこそあっという間に燃え広がるだろう。

「――っ」

 どうしよう。
 もがいてももがいても、縄は緩まない。
 足首を縛られているので立ち上がることもできそうになかった。
 這って出ようにも、戸のあたりから煙が入ってきているところをみると、入り口に放火されたと思われる。

 ……いや……死にたくない。

 それは、久しく忘れていた恐怖だった。
 カチカチと奥歯が鳴る。

「誰、か……っ」

 悲鳴が喉の奥で凍って、ろくな声が出なかった。