わたしを「殺した」のは、鬼でした

「わたし、どうしてこんなところに……」

 炭を取りに、裏庭の倉庫へ向かったはずだった。
 そこに、誰かが野菜を届けに来て、そして――

 ……あの人たちに、ここに連れてこられたのかしら。

 順当に考えればそうだろう。
 計画的だったのか突発的だったのかはわからないけれど、わたしが覚えている最後の記憶を思い出せば、三人の男性に囲まれていた。
 誰もが厳しい顔をしていたと思う。
 そこから記憶がつながらないので、彼らのうちの誰かが、あるいは全員が、わたしをここに連れてきたと考えれば納得がいった。

 理由は考えなくてもわかる。
 わたしが、「道間」だからだ。
 鬼や魑魅魍魎を狩る一族である「道間家」は、鬼の天敵であり、彼らから深く恨まれている。
 わたしは黒髪ではないけれど、彼らはわたしが道間だと気づいたのだろう。
 千早様に鬼にしていただいたけれど、それでわたしの生まれが消えるわけではない。
 鬼だろうと人だろうと、わたしが道間家に生まれた娘であるのは消し去りようのない事実なのだ。