わたしを「殺した」のは、鬼でした

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 道間――と、誰かの声が聞こえた気がした。

 その声は低くて暗くて、深い憎しみに彩られているようなそんな気配を感じて、わたしはゆっくりと瞼を持ち上げる。
 途端にずきりと首の後ろに痛みを感じて、ぎゅっと顔をしかめた。

「ここ、は……?」

 ぼんやりと周囲を見渡す。

 薄暗い、倉庫のような場所に思えた。
 板を組んで作られた薄い壁からは冷たい隙間風が入り込んでいる。
 狭い室内に鍬や藁などが置かれていたので、農具を保管している場所ではないかと推測したけれど、どうして自分が農具入れにいるのか理解できなかった。
 理解できないが、ひとまずここから出ようと立ち上がろうとして、ようやく自分が縛られていることに気が付く。
 驚いたからだろうか、朦朧としていた意識が一気に現実に引き戻された。