わたしを「殺した」のは、鬼でした

「ユキ、こちらは俺の叔母の牡丹だ」

 お茶を出して下がろうとしたところへ千早様に声をかけられて、わたしは居住まいを正した。
 千早様と青葉様が従兄弟同士の関係とは聞いていたけれど、千早様のお父様の妹君が牡丹様らしい。よく見ると、千早様と目元が少し似ているような気がした。
 牡丹様は楊枝でお団子を口に運びながら、面白そうに青い瞳を瞬かせている。

「千早が珍しく頼みごとをしてきたと思ったら、なかなか愉快なことになっていること」
「牡丹、ユキは冗談も真に受ける。揶揄うのはほどほどにしてくれ」
「まあ、まだ何も言っていないのに」

 牡丹様は心外だと言わんばかりに片眉を上げたけれど、すぐに機嫌よさげにわたしを見た。

「それにしても、千早がわたしを呼ぶほどに気に掛けるなんて、いったいどんな子なのかしら……」
「別に、そういうのではない。ただ単に、女のことは女にしかわからんだろうと思っただけだ」

 ふん、と千早様は鼻を鳴らす。