わたしを「殺した」のは、鬼でした

 千早様の予言通り、正午を回ったころに雪がはらはらと舞いはじめた。
 青葉様が緋色の傘を二本用意してくださったのだけど、千早様はいらないと言って、結局わたし一人だけ傘をさすことになった。
 千早様が傘を差さないならわたしも遠慮しようと思ったのだけど、千早様から「風邪をひかれると面倒だ」と言われ、傘をさすように命じられたからだ。

 外は寒かったけれど、厚着をして温石を忍ばせたので、凍えるほどではない。
 千早様の三歩後ろをついて歩いて行くと、やがて山が見えてきて、長い階段の前にたどり着いた。

 肩に雪を積もらせながら、千早様が階段を上っていく。
 足元に注意しながらついて行くと、階段を登り切ったところに、大きな墓があった。
 千早様のお父様のお墓なのだろう。
 見上げるほど大きなお墓の前にはたくさんの花が置かれていて、その上にこんもりと雪が積もっていた。