わたしを「殺した」のは、鬼でした

 ずきずきと痛む胸の上を抑えていたら、着替えをすませた千早様がやって来た。
 無言で朝餉を乗せた懸盤の前に座り、気だるげな様子で箸を持つ。
 いつもなら一言二言あるのだが、今日の千早様は一言も言葉を発することなく、ただ黙々と食事をとっている。

 千早様の側に控えて、お櫃からご飯のお代わりをよそおうとしたけれど、千早様がすっと手で制した。
 いつもは朝からお茶碗二杯分は食べる千早様なのに、今日はお代わりはいらないようだ。
 青葉様はいつも通り召し上がるみたいなので、青葉様にお代わりをおつぎしていると、箸休めの沢庵をぽりぽりとかじっていた千早様が顔を上げた。

「ユキ」