わたしを「殺した」のは、鬼でした

「……あの娘は、お館様に危害をくわえませんし、その意思もないようですから」

 なるほど、青葉らしい考え方だ。
 生真面目なこの男の判断基準は、いついかなる時も千早なのだ。忠誠心が高いのも少々考え物かもしれない。

「立場というが、序列をつけろと言うことか? あの娘は無能ものだ。鬼に変質した今でも、たいした力は持っていないだろうよ」
「序列以外にも、立場を明確にする方法はあるでしょう。――あなたの、庇護下に入れればいいのですから」

 嫌なことを聞いたと、千早は眉を寄せる。
 だが、不快感をあらわにしても、今日の青葉は止まらなかった。

「お館様が拾ったのです。最後まで面倒を見るべきではございませんか?」

 ……なるほど、自分の蒔いた種だった。