千早様に抱き込まれているわたしを見て額に手を当てた。
「ユキ、眠っているお館様には不用意に近づくなと言っただろう」
実は、千早様を起こしに行ってこの状況に陥るのははじめてではない。これで三回目だ。
毎回青葉様に救出されているわたしは申し訳なくなりつつも、遠くからお声がけしただけでは起きてくださらないのにどうしたらいいのだろうと途方に暮れた。
そして、今日も今日とてわたしを千早様の腕の中から救出した青葉様は、どこから取り出したのか、鍋とお玉を掲げ持ち、カァン! と大きく音を立てる。
「さあ、起きてください、お館様‼」
嫌そうな眉を寄せて瞼を上げた千早様を見て、青葉様はやっぱりすごいと、わたしはただただ感心していた。
「ユキ、眠っているお館様には不用意に近づくなと言っただろう」
実は、千早様を起こしに行ってこの状況に陥るのははじめてではない。これで三回目だ。
毎回青葉様に救出されているわたしは申し訳なくなりつつも、遠くからお声がけしただけでは起きてくださらないのにどうしたらいいのだろうと途方に暮れた。
そして、今日も今日とてわたしを千早様の腕の中から救出した青葉様は、どこから取り出したのか、鍋とお玉を掲げ持ち、カァン! と大きく音を立てる。
「さあ、起きてください、お館様‼」
嫌そうな眉を寄せて瞼を上げた千早様を見て、青葉様はやっぱりすごいと、わたしはただただ感心していた。


