昨日は千早様を起こすのに一時間くらいかかったので、それに比べれば今日はかなり短い時間で起こすことに成功したようだ。
青葉さんから、いっそのこと枕元に鍋とお玉を置いておくかと問われ、真剣に悩むくらいには、毎朝千早様を起こすのは根気がいる。
「春眠暁を覚えずという詩を知らないのか?」
……千早様の場合、春だけでなく年中ですよね。
という言葉は飲み込んでおこう。
眠いのか仏頂面の千早様が、ちょっと可愛い。
「知りません、よかったら教えてくださいませ」
「そうか。それなら今度、漢詩を教えてやろう。だから俺はもう少し寝る」
「いえいえダメですよ!」
だから寝るって、なにが「だから」なのだろう。
起きて起きてと背中を押すと、千早様はようやく諦めたらしい。
まだ半分眠そうな千早様のお着替えを手伝って、わたしも支度を終えると、お布団を片付ける。お布団を置いたままにしておくと、千早様が再び横になる危険があるためだ。
青葉さんから、いっそのこと枕元に鍋とお玉を置いておくかと問われ、真剣に悩むくらいには、毎朝千早様を起こすのは根気がいる。
「春眠暁を覚えずという詩を知らないのか?」
……千早様の場合、春だけでなく年中ですよね。
という言葉は飲み込んでおこう。
眠いのか仏頂面の千早様が、ちょっと可愛い。
「知りません、よかったら教えてくださいませ」
「そうか。それなら今度、漢詩を教えてやろう。だから俺はもう少し寝る」
「いえいえダメですよ!」
だから寝るって、なにが「だから」なのだろう。
起きて起きてと背中を押すと、千早様はようやく諦めたらしい。
まだ半分眠そうな千早様のお着替えを手伝って、わたしも支度を終えると、お布団を片付ける。お布団を置いたままにしておくと、千早様が再び横になる危険があるためだ。


