わたしを「殺した」のは、鬼でした

 父が、黒を持たずに生まれたというだけで血を分けた子を処分までしたのは、わたしがきっかけで自分たちの中に鬼の血が流れていることを知られたくなかったからだろうか。
 おそらく、道間にとって、黒を持たずに生まれる子は最大の禁忌なのだろう。
 ようやく、父が、母が、道間家の人間が、わたしのすべてを否定した理由がわかった気がした。
 だけど不思議と、それを悲しいとは思わなかった。
 何故ならこの色がなければ、千早様には出会えなかっただろうから。

「驚きましたが、すっきりしました」
「そうか?」
「はい。……何故、わたしは否定されるのだろうかと、ずっと考えていたんです。道間家では黒以外の色を持って生まれた子を、鬼の呪い子と呼びます。何故色だけでそう呼ばれるのかずっとわからなかったのですが、道間に鬼の血が混じっていたからなのですね」

 先祖返りの色を持って生まれた子を否定することで、道間は自分たちの中に流れる鬼の血を否定していたのだ。