わたしを「殺した」のは、鬼でした

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 お着物の柄が決まったと思ったら、今度は帯でもめ始めた青葉様と牡丹様を残し、わたしは千早様に連れられて庭に降りていた。
 一人で庭に降りないようにと言われていたけれど、千早様が一緒なら問題ないらしい。
 雪で白くお化粧された前庭は美しく、平橋の上から池を覗き込めば、紅白の鯉が泳いでいた。
 裏庭にはよく降りていたが、前庭に降りるのははじめてだ。

「あの、お二人に衣装選びをお任せしてよかったのでしょうか?」

 わたしの婚礼衣装なのに、二人に完全に丸投げしてしまった形になるのが申し訳ない。
 千早様は苦笑すると首を横に振った。

「あの二人は親子だけあって、ああなれば長い。付き合うのは骨が折れるぞ。それに、お前はあの二人の間に入れるのか?」

 無理としか思えないので、わたしは首を横に振る。

「衣装にこだわりがないのならば、任せておけばいい」
「わかりました」

 わたしは婚礼衣装どころか普段のお着物にも詳しくないので、千早様のおっしゃる通り任せておくのが無難だと思えた。