わたしを「殺した」のは、鬼でした

「ずっと考えていた。なぜあの時、お前を鬼にして連れ帰ったのか。どうしてあの場で殺さなかったのか。どうして手元に置いたのか。俺はずっと、自分のその行動が不思議でならなかった」

 それはわたしが道間だから、こき使って道間家への恨みを晴らそうとしたのではないのだろうか。
 そんな、わたしの口には出さない問いかけに気づいたのか、千早様がふわりと笑う。

「あのとき俺は、お前に惹かれたのだろう。道間に生まれ、道間らしくないお前に、心惹かれたのだろう。そう思う」

 とくり、と心臓が音を立てる。
 とくりとくりと、徐々に徐々に脈が速くなって、それに伴い、顔に熱がたまるのがわかった。

「俺に、お前を守らせてくれ」