わたしを「殺した」のは、鬼でした

「あの、千早様。わたし、もう動けます」
「まだダメだ。せめてあと一日はおとなしくしておけ」
「でも、お食事の支度とか……」
「それは牡丹がやる。あと、休みを取らせていた下女たちも連れ戻そう。もうお前は下女の仕事をしなくていい」
「え……」

 つまりそれは、わたしが不要になったということだろうか。
 ご迷惑をかけたのだからお邸を追い出されても仕方がないのはわかる。
 わかるけれど――

「ちはや、さま……」

 お願いだから、いらないと言わないでほしい。
 すがるように千早様の袖をきゅっと掴んだわたしに、千早様はただ優しく微笑んで。

「ユキ、俺の嫁にならないか?」

 千早様が、とても穏やかな声で、おっしゃった。