わたしを「殺した」のは、鬼でした

「熱は下がったな。だがまだ動くな」

 千早様がそう言ってわたしを寝かしつけ、額の上に水に濡らして固く絞った手拭をおいてくれる。

「熱が、あったのですか?」
「ああ。無理をしたからそのせいだろう。丸一日下がらなかった」
「丸一日……」

 つまり、その間ずっと千早様のお部屋を占領していたのだろうか。申し訳なさすぎて泣きたくなる。

「千早様、あの、わたしはいったいどうなったんですか?」

 お詫びをしようにも、状況が飲み込めてなければ難しい。
 千早様なら何かご存じだろうかと訊ねたのだけど、千早様は驚いたように目を見張った。

「覚えていないのか?」