わたしを「殺した」のは、鬼でした

「通用口も開いたままです。おそらく、そこから連れ去られたと思われるのですが……」

 それを聞いて、千早は裏庭に向けて走り出した。
 青葉も慌てたように跡をついてくる。
 裏庭に向かうと、青葉の言う通り、確かに野菜が散乱していて、男のものだと思われる草履の跡が複数人分見つかった。
 ギリ、と奥歯を噛みしめて、千早は開け放たれたままの裏口を睨む。

(……どこのどいつだ!)

 ユキがいくら道間家出身であろうと、自分の邸の中にいたら安全だと思っていた。
 それに、ユキの外見は道間らしくない。一目見ただけでユキが道間家の娘だったと気づくものはいないだろう、そう思っていた。

「……通用口の奥の道には、女の足跡はない」
「抱えられたか、何かに入れられて運ばれた可能性がありますね」

 千早はひとつ頷く。
 悲鳴も聞こえなかったことから、気を失っていた可能性もあるだろう。
 野菜が散乱していると言うことは、これらを入れていたものの中にユキを入れて運んだか。