きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~

 式が始まる直前に、後ろの方でざわめきが起こっていたが、クラークは花婿が入場してきたからだと思った。
 だからそのざわめきが、開始時間ギリギリに入ってきたリデルが原因のものだとは気付いていなかった。


 新たに夫婦となるマーティンとシェリーの誓いが終わり、参列者達は先に出て、道の両側に並び立ち、新婚ほやほやのふたりを祝福の拍手で迎えるのだが、前方に居たクラークからは、後方から早くに外に出たリデルの姿は、見えなくて。
 結局、教会ではリデルに接触出来なかった。


 しかし、もしリデルがそんなに離れていなくても、クラークは直ぐに彼女に気付かなかっただろう。
 何故なら、クラークの知るリデルはいつも地味で。
 今日華やかに装っているとは思いもせずに、多分グレーか紺のワンピースを着ているだろうと、その色を探していたからだ。


 そうして挙式が終わり、参列者達が披露宴会場に向かうために、隣に併設されたホールへと移動を始めて。
 ここでようやく、クラークは気付いた。

 自分より先に歩く集団の中に黒い髪をした女性が居て。
 その女性を中心に、かつての同級生達がひとかたまりになっている。
 まだ後ろ姿しか見ていないが、まさかまさか、と我が目を疑った。


 柔らかなクリーム色のコートを羽織り、黒髪を結い上げ、そこには幾つもの白くて小さな生花をバランスよく全体に挿し。
 高いヒールの靴を履いたその後ろ姿は、リデルによく似ているが、彼女ではないはずだ。