きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~

 おまけにまだ招待もされていない結婚式にも着ていけるから無駄じゃない、と苦しい言い訳をする。
 毎回、そのシェリー手作りのドレスで出席するつもりなのだろうか。 
 あまりにも、お洒落に関心が無さすぎるリデルに、エラは泣けてきた。


 それでも、シェリーがリデルに言った
「その気になれば、シーナより素敵になる」には、完全に全面的に同意する。


 
 あのジェレマイア様は貴族学院では第2王子殿下の取り巻きに選ばれていた。
 あの見た目だし。
 きっといろんな面で優秀なんだろう。


 だけど、リデルに関しては、全く。
 全然、駄目駄目だ。



 リデルは優しい。
 優しすぎる故に、残念な子だ。

 

 本当に、残念な元若様とお似合いだ。 



  ◇◇◇


 
 シェリーから買い取ったドレスを受け取りに、エラは彼女の実家が営むオドネル手芸店へ急いだ。

 エラはシェリーとは、友人ではないので自宅の住所は知らないし、店の方なら両親のどちらかは居るだろうと当たりを付けた。
 明日結婚式で店を休むから、今日は絶対に営業しているはずで、オドネル氏が商売に熱心であるのは有名な話だ。