きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~

「マイア、知ってるか?
 勝者の美酒に酔った者は、また酔い過ぎてしまう」

「え? 何かの格言ですか?」

 それが格言などではなく、即席でテリオスが作ったと分かっていて、敢えて口にするジェレマイアだ。


「……あの北から来た誘惑の手を持つミネルヴァは、王妃に頼まれた叔父貴が商会の伝手を使って用意した女だ。
 俺にばれないようにゴードンには黙っていたので、あの馬鹿があれに引っ掛かったのは、叔父貴の計算外だが、その後上手く俺が引っ掛けられたからな。
 あの人からしたら、意外と使えなかった長男は切れるし、まぁ、成功と言える」

「……」

「王妃にとっては目障りだった俺は居なくなるし、ユーシスとクリスティアナには初恋の成就と次の王位を手にするのはもうすぐだが、ひとつ邪魔なものがある」

「カリスレキアの王女?」 

「その通り、あのふたりは俺で成功しただろう?
 成功体験を得た勝者は、その美酒に酔って、また次も上手くいくと簡単に考えた。
 本来なら結婚してから処理すればいい王女と婚姻式を挙げたくないユーシスと挙げさせたくないクリスティアナは、俺と同じ方法で邪魔者を片付けようとした。
 つまり結婚前の王女にハニートラップを仕掛けることにして、カリスレキアに男を送り込んだが、奴等から見れば男慣れしていない醜女だから、直ぐに引っ掛かるはずの王女は貞操観念のしっかりした賢いひとで。
 靡くふりをして男を捕えて……激怒したカリスレキアに怒鳴りこまれて、国王陛下は初めてユーシスのやらかしを知った」