きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~

 騒ぐ2人を無視して、ゴードンは制服の胸ポケットから丁寧に取り出したネックレスが入っているような長方形の箱を、テリオスに差し出した。
 無礼にも顔の前に出されたその箱を、ゆっくりした動作でテリオスは受け取る。


「叔父上には、私の代わりに御礼を申し上げてくれるかな。
 そうだなぁ、面白いね」

 
 テリオスの取り巻きになって5年。
 それがいつもの台詞だとジェレマイアには分かる様になってきた。
 興味のないものに対して、テリオスは全て
「そうだなぁ、面白いね」で、済ます。


「じゃあ、これは私がいただいた物だし、好きに使わせて貰うね?」

「え、あ、はい?
 勿論殿下のお好きなよう……」


 少しはテリオスも慇懃無礼なゴードンにやり返したかったのか、彼の言葉も終わらぬ内に、ジェレマイアにその箱を投げて寄越した。
 

「マイア、お前の銀色、何色になるのか、楽しみにしているよ」

 指名を受けて仕方なく受け取ったジェレマイアを、皆が見ていた。


 後日、テリオスと2人になった時、例の毛染め薬剤を返そうか、と尋ねれば。


「そんなもん、するかよ」と一言で切って捨てる。
 これは、裏側の彼の口癖でもある。


「叔父貴は髪色を変えた俺が、遊びに嵌まるように誘導したかったんだろう」

「あー、でも私も必要ないし、返します」

「まぁ、取っておけよ。
 いつかは必要になるかもな?」