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 リデルの帰りが遅い。


 リデルの友人シェリー・オドネルの披露宴は、結婚式を挙げた教会の横に併設された公共ホールで行われると聞いていた。

 
 皆の手で美しく変身した娘を歩かせるなど、もっての外だとデイヴは当然荷馬車を出すつもりだったが、女性陣から
「どうかしている」とまで罵られ、却下され、往復で馬車を予約していると言われた。
 それなら先に教えてくれていても、と思いもしたが、ありがたいのは本当で。
 エラが予約してくれていた馬車が、リデルを教会まで送っていった。


 出掛ける際には、帰りの時間を約束しているふたりの会話に安心もしていた。
 リデルから聞いていた披露宴の終了予定時間よりかなり早い時間に、約束をしていたからだ。

 その横では、エルザとレイカが『いい女は、綺麗な女は』と戯言をリデルに語っていて。
 素直に頷くリデルが、心配になるほどだった。