運命みたいな恋は、ほら！すぐそこに転がっている

ライバル登場

私と徹さんの関係は、ただの同居人。
私だって自分の立場はわきまえているつもりだし、分不相応な夢を見るつもりもない。
たとえ気持ちが動くようなことがあったとしても、私の方から何かを求めてはいけないと思い続けていた。

ブブブ　プププ
いつものようにスマホの起床アラームが鳴る。

私はゆっくりと起き出してパジャマの上からカーディガンを羽織り、キッチンへと向かった。

昨日はいろいろあって、買い物をして帰る時間がなかった。
パンや卵や牛乳など日常的に必要なものは家事代行サービスで補充してもらっているから何もないわけではないが・・・
私は冷蔵庫を覗きながら、今日は何にしようかなと考えてしまった。
普段からどちらかと言うと和食を好む徹さんのために、お味噌汁や卵焼きの朝食を用意することが多いのだが、今日はなぜかパンの気分。
サラダとオムレツとヨーグルトと、パンにチーズと冷凍保存していたホワイトソースを挟んで焼いたクロックムッシュ。
特に好き嫌いは無いと聞いている徹さんだからきっと喜んでくれるだろうと、私は準備を始めた。