助手席に座りながら運転する俺の方を見た梨々香は、ゆっくりと過去の話をし始めた。
10代の頃のストーカー被害が原因でトラウマを抱えているという梨々香は、自分の思いを含めてすべてを正直に話してくれた。
俺にとってもショックな話では合ったけれど、これで腑に落ちた部分もあった。
ちょうどマンションの駐車場に車を停めたタイミングで、俺は少しでも気持ちを落ち着かせようと、梨々香の背中に手を当てた。
小刻みに震え続ける体がいとおしくて、すぐにでも抱きしめようと思ったが、男性が怖いんだという言葉が耳に残っていて怯んだ。
しかししばらくすると、彼女の方から俺に身を預けてくれた。
偶然の出会が何度か重なって始まった俺たちの共同的生活。
一緒にいることが苦痛ではないと言う理由だけで今日はできたつもりだったが、どうやらそれだけではないと今日のことで気づいてしまった。
俺は梨々香に他の男が手を触れると考えただけで腹が立ったし、拒絶することができないでいる梨々香自身にさえ苛立ちを覚えた。
どちらかというと淡白だと言われる俺にとって、これは本当に珍しいことだ。
あまりにも近くにいすぎて気づくことがなかったが、もしかしたら俺は梨々香のことが好きなのかもしれない。この時の俺はやっとそのことに気がついた。
10代の頃のストーカー被害が原因でトラウマを抱えているという梨々香は、自分の思いを含めてすべてを正直に話してくれた。
俺にとってもショックな話では合ったけれど、これで腑に落ちた部分もあった。
ちょうどマンションの駐車場に車を停めたタイミングで、俺は少しでも気持ちを落ち着かせようと、梨々香の背中に手を当てた。
小刻みに震え続ける体がいとおしくて、すぐにでも抱きしめようと思ったが、男性が怖いんだという言葉が耳に残っていて怯んだ。
しかししばらくすると、彼女の方から俺に身を預けてくれた。
偶然の出会が何度か重なって始まった俺たちの共同的生活。
一緒にいることが苦痛ではないと言う理由だけで今日はできたつもりだったが、どうやらそれだけではないと今日のことで気づいてしまった。
俺は梨々香に他の男が手を触れると考えただけで腹が立ったし、拒絶することができないでいる梨々香自身にさえ苛立ちを覚えた。
どちらかというと淡白だと言われる俺にとって、これは本当に珍しいことだ。
あまりにも近くにいすぎて気づくことがなかったが、もしかしたら俺は梨々香のことが好きなのかもしれない。この時の俺はやっとそのことに気がついた。



